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    タトゥー知識読了 約11分

    インクリのタトゥー施術当日、来店から帰宅まで店内で起きること

    インクリ(inkly)で初めてタトゥーを入れる日、店の中では何が順番に起きるのでしょうか。相談、受付、麻酔、席の準備、施術、片付けまで。公開されている当日の流れと機材の扱いを時間順にたどり、予約前に一日を具体的に思い描けるように書きました。

    須賀 公佑 医師Medically Supervised監修:須賀 公佑 医師inklinic代表
    目次

    当日より前に、30分の相談から始まります

    inkly tattooでは、来店前にLINEで無料相談ができるほか、来店またはオンラインでの相談は30分程度で受けられます[1]。施術の一日は、実はこの相談から始まっています。デザインの希望、入れたい場所、痛みへの不安など、気になることはこの時間に出しておくのが近道です。遠方の人はオンライン、店の雰囲気を先に確かめたい人は来店、まず気軽に聞きたい人はLINEというように、自分に合う形を選べます。LINEでの相談は無料なので、まだ入れるかどうか決めていない段階でも気軽に使えます[1]。

    麻酔を使う場合、施術当日は麻酔待ちの時間を使って位置・大きさ・細部の最終確認を行います[1]。相談の段階で方向性を固めておくと、当日の確認は答え合わせのような時間になります。逆に、迷いを残したまま当日を迎えると、その場で決めることが増えてしまいます。当日の時間は限られています。大きな方向性は相談で決め、当日は細部を詰める、という分け方をおすすめします。

    窓辺の明るいテーブルで向かい合い、書類を前に静かに話し込む女性二人と観葉植物

    受付、麻酔、最終確認。席に着くまでの1時間

    施術当日は、受付から始まります[1]。麻酔を使う場合は、受付のあと提携医療機関のinklinicで一次麻酔を受けます[1]。麻酔が効くまでには50〜70分ほどかかり、この時間をそのまま位置・大きさ・細部の最終確認に使う流れです[1]。麻酔の待ち時間が打ち合わせの時間になるので、ただ座って待つ感覚は少なくなります。体に当てて見た印象と、画面で見た印象は違うこともあります。気になる点があれば、この段階で遠慮なく伝えてください。

    麻酔を使わない場合は、受付のあとにそのまま施術に入ります[1]。麻酔を使うと、全体の所要時間は約1時間長くなります[1]。予定を組むときは、施術そのものの時間に1時間を足しておくと安心です。麻酔を使うかどうかは、痛みへの不安や部位によって考え方が変わります。相談の段階か予約時に伝えておくと、当日の段取りがスムーズになります。麻酔を使う場合の料金や利用条件は、予約時に確認してください。

    席に置かれる道具は、あなたのために開封されたもの

    席に着いたときに目に入る道具には、店の衛生方針がそのまま表れています。inkly tattooでは、針について全アーティストが「滅菌済み・個包装・使い捨て」の基準を守るとしています[2]。針は客ごとに新しい個包装のカートリッジを開封し、使用後は再利用しません[2]。

    洗浄や希釈には滅菌済みの0.9%生理食塩水を使い、手袋は施術ごとに新しいものに替えます[2]。マシンのグリップやコード周りは、施術ごとに使い捨てのバリアフィルムで覆い、フィルムは1件ごとに交換します[2]。バリアフィルムはラップのような薄い膜です。手がよく触れる部分に血やインクが直接付かないようにする覆いで、施術が終わるごとに剥がして捨てます。

    使い捨てが当たり前になった背景

    厚生労働省の研究班が2023年にまとめた報告書には、タトゥースタジオの衛生管理に関するガイドライン案が載っています[4]。針は使い捨てを用い、使用後は速やかに耐貫通性の容器へ廃棄し、再滅菌は禁じるとしています[4]。血液が付きそうな場所は施術前にバリアフィルムやラップで覆い、客ごとに使い捨てる、という項目もあります[4]。inklyが公開している針とフィルムの扱いは、この案に並ぶ項目と同じ方向を向いています。

    厚生労働省の研究班が2023年にまとめた報告書には、タトゥースタジオの衛生管理に関するガイドライン案が載っています[4]。針は使い捨てを用い、使用後は速やかに耐貫通性の容器へ廃棄し、再滅菌は禁じるとしています[4]。血液が付きそうな場所は施術前にバリアフィルムやラップで覆い、客ごとに使い捨てる、という項目もあります[4]。inklyが公開している、客ごとに新しい個包装カートリッジ針を使う点や、施術ごとにバリアフィルムを替える点は、この案が挙げる使い捨ての考え方と同じ方向を向いています[2]。

    彫っている時間と、二次麻酔のタイミング

    施術は最終確認のあとに始まります[1]。一次麻酔を使った場合でも、彫り始めてから1〜2時間ほどで、必要に応じて二次麻酔を追加します[1]。二次麻酔はおよそ5分ほどで効き始める目安です[1]。長い施術でも、途中で痛みが戻ってきたら追加できる余地がある、と知っておくと気持ちが楽になります。最初の麻酔が切れたら終わり、ではありません。時間が読める仕組みになっているので、初めての人でも見通しを持って座っていられます。

    麻酔の効き方や痛みの感じ方には個人差があります[1]。施術中に痛みが強くなったと感じたら、我慢せずにその場で伝えてください。二次麻酔を使うかどうかは、医師または看護師がそのときの状態を見て判断します[1]。細かい注意点は予約時や当日にご案内します。

    施術後に受ける説明と、最初の1週間

    施術が終わると、アフターケアの説明があります[1, 3]。inklyの案内では、施術後に貼った保護フィルムを翌日の夜まで貼り続けます[3]。翌日の夜、シャワーでフィルムを剥がしてタトゥーを優しく洗い、乾かしたあとに抗菌外用薬を薄く塗って新しいフィルムに貼り替えます[3]。この洗う、乾かす、塗る、貼り替えるという手順は2日目と3日目も繰り返します[3]。4日目から1週間後までは、フィルムを使わずに抗菌外用薬を塗り、必要に応じて医師の指示でステロイド外用薬も使います[3]。施術後には、アフターケアの方法についてスタッフから詳しい説明があります[1]。inklyはアフターケアガイドをウェブサイトで公開しているので、当日忘れてしまった部分は、あとから見返すこともできます[3]。当日は疲れて頭に入りにくいこともあるので、家で落ち着いてもう一度読むつもりでいてください。

    避けるべきこともはっきりしています。湯船、プール、海、温泉、サウナ、激しい運動は、いずれも1週間避けます[3]。夏の海やジムの予定がある人は、施術の日をそうした予定の1週間以上前か、予定のあとに置くのが現実的です。予約を入れる前にカレンダーを見て、施術後1週間に大きな予定が無い日を選んでください。この1週間、避けるべきことを守ることが、ケアの基本です[3]。

    席が次の人へ渡る前に行われること

    一人の施術が終わると、席はいちど「ゼロ」に戻されます。inklyでは、針は針専用の容器に廃棄し、残ったインクは次の客に使わず、バリアフィルムは1件ごとに交換します[2]。手袋も施術ごとに新しいものです[2]。次の客が席に着くとき、前の人の道具が一つも残っていない状態を作ります。これがこの片付けの目的です。派手な作業ではありませんが、あなたが座る席も、直前にこの手順を通っています。

    厚生労働省の研究班のガイドライン案は、片付けの中身をさらに細かく示しています。デスク、椅子、ベッド柵など手がよく触れる部分は客ごとに清掃します[4]。明らかな血液付着があれば、洗剤で拭き取ったあとに消毒用アルコールまたは0.5%次亜塩素酸ナトリウムで拭き取り消毒します[4]。バリアフィルムを捨てたあとにも拭き掃除を行い、施術に伴う廃棄物は客ごとに処理します[4]。壁と床は1日1回程度、待合所は1日1回以上の清掃です[4]。

    壁や床のように直接触れない場所は1日単位、手が触れる面は客ごとに清掃するというように、場所によって清掃の頻度を分けています[4]。

    この流れが、初めての人に意味すること

    ここまでの流れを一つにつなぐと、初めての来店者が店の中で経験することは、おおよそ決まってきます。相談で決めたデザインをもとに、新しい針とインクで施術を受け、終わったらケアの説明を聞いて帰ります[1, 2, 3]。麻酔を使うなら、全体に1時間ほど余裕を持ちます[1]。派手な演出はありませんが、どの段階でも今何が起きているかを説明できる流れです。初めての人にとって、それは安心材料の一つになります。

    予約前に確かめたいことがあれば、30分の無料相談で聞いてください[1]。麻酔を使うかどうか、施術にかかる時間、当日の持ち物や服装など、細かいことは予約時や当日にご案内します。タトゥーは長く体に残るものです。入れる前の確認と、入れた後の1週間のケアは、どちらも大切な時間です。その両方を一つの流れとして受けられる場所として、inklyの施術当日はできています。

    よくある質問

    施術の前に相談はできますか。費用はかかりますか。

    inkly tattooでは、来店前にLINE、来店、オンラインのいずれかで30分程度の無料相談ができます。デザインの希望や部位、痛みへの不安など、気になることは相談の段階で出しておくと、当日の最終確認がスムーズになります。

    麻酔を使うと、当日はどのくらい長くなりますか。

    麻酔を使う場合、全体の所要時間は約1時間長くなります。受付のあと提携医療機関のinklinicで一次麻酔を受け、効くまでの50〜70分ほどを位置・大きさ・細部の最終確認に使う流れです。彫り始めてから1〜2時間ほどで、必要に応じて二次麻酔を追加できます。

    針やインクは本当に使い捨てですか。

    inkly tattooでは、針は客ごとに新しい個包装カートリッジを使い、使用後は再利用せず針専用の容器に廃棄します。インクも客ごとに使い捨てのインクカップへ小分けし、残りを次の客に使い回しません。手袋は施術ごとに新しく、マシンのバリアフィルムも1件ごとに交換します。

    施術のあと、お風呂やプールはいつから入れますか。

    保護フィルムは翌日の夜まで貼り続け、翌日の夜にシャワーでフィルムを剥がして優しく洗います。湯船、プール、海、温泉、サウナ、激しい運動はいずれも1週間避けてください。1週間を過ぎたら、1日数回保湿剤を塗る手順です。


    参考文献

    • [1]. INKLY TATTOO. ご相談から施術当日までの流れ. (INKLY TATTOO, 年不明). リンク

    • [2]. INKLY TATTOO. 使用機材と衛生について. (INKLY TATTOO, 2026年8月時点). リンク

    • [3]. INKLY TATTOO. タトゥーのアフターケアガイド. (INKLY TATTOO, 2026年). リンク

    • [4]. 研究代表者:小野太一、分担研究者:加藤英明ほか. タトゥー施術等の安全管理体制の構築に向けた研究 令和4年度 総括・分担研究報告書. (厚生労働行政推進調査事業費補助金・厚生労働科学特別研究事業, 2023). リンク

    • [5]. Everett J. Lehman, Janice Huy, Elizabeth Levy, Susan M. Viet, Amy Mobley, Truda Z. McCleery. Bloodborne pathogen risk reduction activities in the body piercing and tattooing industry. (American Journal of Infection Control, 2010). doi:10.1016/j.ajic.2009.07.008. リンク

    • [6]. 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長. タトゥー施術行為に使用されることが目的とされている機械器具について(薬生監麻発0428第1号). (厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課, 2022). リンク

    Medical Supervisor

    須賀 公佑 医師

    須賀 公佑すが・こうすけ

    医師・認定産業医

    inklinic 代表 / 株式会社デルマト 代表取締役

    慶應義塾大学医学部卒業後、A.T.カーニーにて戦略コンサルタントとして国内外の医療・エンタメ・エネルギーなど多業界にわたるプロジェクトに従事。2024年、日本初の医療連携タトゥースタジオ「inkly tattoo」を設立。

    タトゥーが「自己表現の手段」として自由に選ばれる社会を目指し、麻酔による痛みの軽減や衛生管理など、医学的知見に基づいた安心・安全な施術環境を提供している。日本におけるタトゥーの医学的・科学的アプローチの第一人者。

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